成長期はNG!オールオン4が行える年齢
病気や不慮の事故で歯を失ってしまった場合、かつては総入れ歯かインプラントという方法しかありませんでした。
しかし通常のインプラント手術では患者の経済的負担が大きく、長期の治療期間が必要です。総入れ歯もインプラント手術と比較して費用は抑えられるものの、寿命が短いことが難点でした。
オールオン4なら従来のインプラント治療デメリットである「経済的な負担」と「治療期間」を大幅に少なくすることができ、かつ総入れ歯よりも寿命を長くすることが可能です。
オールオン4とは
オールオン4とは、インプラント治療の技術を元に開発された最新の歯の治療方法です。欠損した歯の部分に基盤を埋め込む点ではインプラントと変わりありませんが、インプラントが1本1本に対してかぶせる義歯をつくる必要があるのに対し、オールオン4はブリッジのように数本分の義歯をかぶせることができます。いわば、ブリッジとインプラントを組み合わせたような治療方法と言えるでしょう。
オールオン4はインプラントと比較して安価で、かつ総入れ歯を用いるよりも長持ちする自然な歯のような口腔環境を手に入れることができるため、注目されています。一方、その治療方法がゆえに対象年齢が限られています。
オールオン4を受けられるめどは16歳以降
インプラント治療はボルトを顎骨(がっこつ)に直接埋め込むため、骨の成長期に手術を受けると埋没してしまいます。
そのため若いうちにインプラント治療を受ける場合は、骨の成長が止まる16歳以降に行うことが推奨されています。
一方、オールオン4は無歯顎(むしがく)と呼ばれる状態の口腔や、数本の歯しか残っていない患者さんでも手術を受けることのできるインプラント治療です。
欠損してしまった歯に対しておこなう治療であるインプラント治療もオールオン4も、16歳未満での治療ケースはあまり少なく、特に歯が少ない患者が対象となるオールオン4は16歳未満での治療は必要がないうえに、推薦されないのです。
対象が違うことから、16歳未満の患者さんが手術をすることはほとんどありません。16歳未満で全部の歯が抜けることは、あまりないからです。
オールオン4が対象とする年齢層
オールオン4は最先端の技術であるため治療費がやや高価であることと、先に述べたように歯が数本しかない状態の口腔でも手術を施術することが可能であることから、高齢層の方で施術する方が多い方法です。
逆に自然歯が残っているとオールオン4の治療を受けることはできないので、自然歯が残っているならば自然歯を活かせる治療法を選択したほうが良いでしょう。
オールオン4はまだインプラント治療と比較して認知度の少ない治療法ですから、歯科医院での検診を受けた際に勧められてオールオン4を知る患者さんが少なくないようです。ですので、歯科医院でオールオン4を推薦されるのであれば対象として適している、というように考えると良いでしょう。
また、年齢問わず何らかの事情で歯の欠損が激しい人に関しては、逆に歯科医院に相談してみる方法もあります。先ほどご紹介したように、骨の成長が進んでいる16歳まではオールオン4に頼ることが難しいということだけ注意しておきましょう。
オールオン4は成長期以外なら活用できる
このように、オールオン4は16歳をめどとした骨の成長期までは治療対象となりませんが、それ以外の場合は検討することが可能な治療方法です。
総入れ歯は衛生面や咀嚼のしづらさから使いたくない、かといってインプラント治療は高価すぎて手が届かない……と悩んでいた方にとっては、オールオン4は非常に有効な治療方法になるでしょう。
もちろん、それぞれの治療方法がそうであるように、オールオン4にもメリットとデメリットが存在しますし、対象年齢が合っているからと言って必ずしも全員が治療可能というわけではありません。
それぞれの口腔環境に応じて歯科医院での判断を受け、適切な方法で治療することが望ましいでしょう。
まとめ
16歳程度までの骨の成長期間にオールオン4の手術を受けることは、基本的に推奨されていません。また、オールオン4の施術は歯が少ない人やインプラント治療で必要となる顎の骨の強度の点で求められるものが少ないため、歯が少なくなった高齢層の方でも安心して受けられることが特徴となります。ただし、オールオン4の技術の点から言えば、骨の成長が止まっているという点以外は特に制限がないため、成長期が終わっている口腔内であれば年齢層問わず治療を受けることができます。したがって、20代など若年から欠損してしまった歯の多いケースなどは、インプラント治療よりも安価で美しく長持ちする義歯を手に入れられるオールオン4は適切な治療方法になるでしょう。
オールオン4に興味のある方は、お近くの歯科医院でオールオン4について相談し、自身の口腔内がオールオン4に適した状態であるのかを判断してもらうと良いでしょう。オールオン4は最新の技術であるため、通院している歯科医院で対応可能かどうかを事前に調べておくことも大切です。
骨の成長期を終えた方で、欠損した歯に悩んでいる方はぜひオールオン4を検討してみてください。