ザイゴマインプラント(頬骨インプラント)
ザイゴマインプラントとは
骨が極端になくても体の負担を抑えてインプラント治療を可能にする技術
骨が少ないからといってインプラントをあきらめている方もいらっしゃるのではないでしょうか?ですが、骨がないからといってインプラントをあきらめるというのは、もう過去の話になってきています。
近年では、一昔前だと骨が足りずにインプラントを断られていたケースでも、現在では骨が足りなくてもインプラントを可能にする技術がいくつも開発されています。
ザイゴマインプラントもその技術の一つで、上顎の骨が極端に少なくなってしまっているケースでも、顎の骨の代わりに頬骨にインプラントを埋めることで、しっかりと人工歯を骨に固定することができます。
ザイゴマインプラントと通常のインプラントは何が違う?
通常のインプラントの場合
常、一般的に行われているインプラントは、歯が埋まっていた顎の骨にインプラントを埋めます。従来の方法では、顎骨が十分にないケースにおいては、骨造成手術を行うことにより骨を増やすことでインプラントを埋める場所を確保します。
ところが、この方法では、インプラントを埋める手術とは別途に骨を増やす手術が必要になってしまうため、治療期間が伸びるだけでなく、お体への負担や感染のリスクもそれだけ増えてしまいます。また、骨がうまくできない場合もあります。
ザイゴマインプラントの場合
ザイゴマインプラントの場合、顎の骨とは違って減ることがない頬骨を利用します。そのため、骨造成手術を行う必要はありません。
頬骨にインプラントを立てるというとびっくりされる方も多いですが、実は頬骨は非常にしっかりしていて硬さがあり、インプラントを固定するのに適しています。
その頬骨に長めのインプラント(30〜52.5ミリ)のインプラントを2本ないし4本埋めて固定源とすることで、人工歯をしっかりと安定させることができます。
ザイゴマインプラントが適用となるケース
上顎の骨が極端になくなっている方
ザイゴマインプラントは、上顎の骨が極端に吸収してしまい、All-on-4でも対応できない方に向いています。口腔がんや先天的な疾患によって上顎の骨が十分にない場合にも可能です。
骨移植手術を避けたい方
上顎の骨がインプラントするのに不十分な場合、通常ならば上顎洞にサイナスリフトという骨を作る手術を行い、骨ができるまで半年程度待つ必要があります。ザイゴマインプラントならそのような骨移植を行わずにインプラントを埋め込むことができます。
ザイゴマインプラントが適用となるケース
【ザイゴマインプラントのメリット】
◆上顎の骨がなくてもできる
ザイゴマインプラントは、上顎の骨が極端に吸収してしまい、All-on-4でも対応できない方に向いています。口腔がんや先天的な疾患によって上顎の骨が十分にない場合にも可能です。
◆骨移植手術がいらない
ザイゴマインプラントは、骨移植手術を必要としません。そのため、体の負担を最小限に抑えるとともに治療期間を短くすることができます。
◆早期に固定式の歯が入れられる
頬骨にインプラントがすぐにしっかりと固定される場合には、手術した当日に固定式の仮歯を入れることも可能です。歯肉の状態、骨とインプラントが固定される程度により3ヶ月程待つ場合もありますが、一般的な他のインプラント方法に比べると、早期に固定式の歯を入れることができます。
ザイゴマインプラントのデメリット
【ザイゴマインプラントのデメリット】
◆治療が受けられる歯科医院が少ない
ザイゴマインプラントは特殊な技術を必要とするため、行っている歯科医院は現在のところまだごくわずかです。
◆治療費が高め
ザイゴマインプラントの場合、通常のインプラントとは違う専用の特別なインプラントを使用するのと、特殊な技術が必要となるため、治療費は一般的なインプラントよりも高めです。
◆長時間の手術が必要
頬骨に手術を行う必要があるため、顎に行う通常のインプラントと比べると、手術時間も長くかかります。(2時間程度)
ザイゴマインプラントなら、上顎の骨が極端に減ってこれまでにインプラントが不可能だとされていたケースでも、インプラント治療を可能にします。そのため、入れ歯ではなくインプラントをご希望される方にとってはメリットが大きい治療法です。ただし、どんな治療法にもデメリットはありますので、メリットとデメリットをよくご理解された上で治療を選ばれることをおすすめします。