なぜ必要なの?オールオン4治療前の検査
2018年10月30日 (火)
なぜ必要なの?オールオン4治療前の検査

オールオン4の治療を始める前に、いくつかの検査を受ける必要があります。オールオン4は「メスで歯茎を切開する」「チタンという金属を顎の骨に埋める」という大きな歯科医療行為を行うからです。
事前検査の内容と、その検査を行う狙いを解説します。

血液検査

オールオン4の治療では血液検査が行われることがあります。患者さんが若くて健康に問題がない場合、血液検査は行わないこともありますが、しかしオールオン4を入れる方は中高年が多いので実施する確率は高いでしょう。
直近で健康診断や人間ドックを受けた方であれば、そのときの血液検査の結果で代用できることもあります。

歯医者が血液検査で知りたいことは、出血のしやすさ・しにくさです。オールオン4手術ではメスで歯茎を切開するので、ある程度出血します。ところが肝臓が弱っている人や肝臓病の方は、出血が止まらなくなることがあるのです。健康な人ならすぐに出血が止まるのですが、そうでない人もいるのです。
出血のしやすさは、血液検査で肝臓の状態が推測できます。

また重い糖尿病の方は、そもそもオールオン4治療を受けることができないことがあります。オールオン4手術では、顎の骨を露出するからです。骨を空気に触れさせると感染症のリスクが高まります。
健康な方は感染に打ち克つことができるのですが、重い糖尿病の方は免疫力や抵抗力が落ちているので簡単に細菌に感染してしまうのです。しかも感染症を発症したとき、症状が重くなります。
ただ多くの歯医者は、オールオン4治療が「できないこと」を調べるために血液検査をするのではなく、「できること」を確認するために実施するので、安心してください。

アレルギー検査

オールオン4治療で顎の骨に埋める人工歯根は、チタンという金属でできています。そのためオールオン4治療の前にアレルギー検査を行うことがあります。
チタンはステンレスや銀などに比べてアレルギー反応が出にくい金属なのですが、まれに症状が出る患者さんがいます。

もしアレルギー検査をせず、オールオン4治療を終えてからチタンアレルギーが発症したら、オールオン4を外して埋めた人工歯根を抜き取らなければなりません。それは治療が無駄になるだけでなく、患者さんの体への負担が大きすぎるので、避けなければなりません。
もし患者さん自身が「これまでどのような金属でもアレルギー反応を引き起こしたことがない」と思っていても、歯医者からアレルギー検査をするかどうか尋ねられたら、受けたほうがいいでしょう。

レントゲン検査、CT検査
レントゲン検査、CT検査

レントゲン検査もCT検査も、X線という放射線を使って見えない歯のなかの様子を見る検査です。
歯医者がレントゲン検査の画像だけで治療方針が立てば、CT検査に進まないこともあります。しかしオールオン4は、通常のインプラントより人工歯根の埋入の仕方が複雑なので、レントゲン検査だけでは見えきれない可能性もあります。
そのようなとき、CT検査が有効です。CT検査を実施すれば、顎の骨の位置や形状だけでなく、血管や神経の位置もわかります。
そのため、患者さんの了承を得て必ずCT検査を行う歯医者もいます。

最新のCT検査機器は、撮影した画像をコンピュータで加工して3D画像(3次元画像)をつくることができます。
手術をする歯医者にとって3Dの立体画像は、シミュレーションをするのに役立ちます。人工歯根を最も確実に固定できる場所を選びやすくなるのです。
よって、患者さんにとってもCT検査はメリットが大きいといえるでしょう。

口のなかの検査と治療

オールオン4は上の歯または下の歯がすべてない状態にしておかないと装着できません。例えば上の歯が1本だけ残っていて、その歯が歯周病におかされている場合、歯医者は患者さんに抜歯を提案するでしょう。
患者さんが抜歯を了承すれば抜くことになりますが、抜いた後はしばらく経過観察をしなければなりません。特に高齢者の場合は、抜歯してすぐにオールオン4手術をすることはできません。

また歯周病菌が口のなかで繁殖しているとオールオン4を入れた後に悪影響を及ぼすので、口のなかの環境を整える治療も必要になります。

さらに歯ぎしりや・食いしばりの癖がある患者さんには、噛み合わせを修正することもあります。歯ぎしり・食いしばりが強いとオールオン4を傷つけてしまう危険があるからです。
オールオン4の治療前に口のなかを最善の状態にしておき、そこから手術をするわけです。

まとめ~「検査は保険」「保険は手厚いほうが安心」

オールオン4は恐れる治療ではありません。成功率が高い治療だからです。ただ手術には違いないのでリスクはある程度あります。
ここで紹介した検査は、そのリスクを減らす効果があります。
患者さんは「健康だから検査は不要」と考えるのではなく、「検査は保険」と考えてはいかがでしょうか。何もないことがわかることはとても重要なのです。

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