費用や抜歯など・・・オールオン4のメリット・デメリットは?
オールオン4を検討するにあたって確認しておきたいのが、治療におけるメリットとデメリットでしょう。インプラントの最新治療と言われるオールオン4ですが、一体どのようなところが良いのか、そして何が注意点なのかは把握しておきたいところです。総入れ歯にするか、オールオン4にするか迷われている方もいらっしゃるかと思いますので、是非ともこちらを参考にしてみてください。
オールオン4とは
オールオン4とは、インプラント治療のひとつで、片顎に4本というとても少ない数のインプラントで連なった人工歯全体を固定するというものです。通常インプラントは人工歯1本につきインプラント(人工歯根)1本を埋め込む必要があるため、片顎全てを人工歯にするとなると、10~12本のインプラントを埋め込む必要があります。一方でオールオン4は、10~12本の人工歯を、たった4本のインプラントを埋め込むだけで支えることが可能です。上顎と下顎、すべての歯を想定したとしても、8本のインプラントだけで人工歯を装着することができます。歯がすべて抜けてしまっている方や、歯周病などでほとんど歯がなくなってしまったという方向けのインプラント治療と言えます。
オールオン4のメリットはここ!
先ほどご説明したように、オールオン4は少ない数のインプラントで歯を支えることができます。これに伴って、以下のようなメリットをあげることができます。
■手術当日に仮歯を取り付けることが可能
オールオン4の手術は1日で完了することができます。片顎の歯茎に4つの穴をあけ、そこにインプラントを埋め込みます。それぞれのインプラントに接続金具を装着し、そこにブリッジのようになった仮の人工歯を取り付けます。手術自体はこれだけで、当日に帰宅することも可能です。入院する必要もありませんし、手術当日に仮歯をつけられるので、総入れ歯の方や歯がない方でも素早くきれいな歯(仮歯)を手に入れることができます。何日も歯がない状態でいる必要がないので、日常生活も過ごしやすくなります。
■費用が抑えられる
従来のインプラントでは、先述の通り1本の人工歯につき1本のインプラントが必要でした。片顎すべてをインプラントにすると10~12本も設置する必要があるので、4本だけのオールオン4と比べると手術の手間や時間がかかってしまいます。また、手術部位が多いので治療期間や回復期間も長くかかっていました。オールオン4では、必要なインプラントの本数が最大1/3になるため、その分手術の手間や時間が削減されます。つまりは、手術費用が安く抑えられるのです。費用面もですが、手術時間が短くなることで患者さんの体力的負担も軽減することもメリットのひとつです。
■取り外しが不要
総入れ歯の場合は、取り外して洗浄液に浸けておく必要があったり、睡眠時に口内を傷つけないように取り外さなければいけませんが、オールオン4の場合は取り外し自体ができないので、日常生活でずっと装着していることができます。お手入れも特別な洗浄液等は必要なく、毎日の丁寧なブラッシングと定期健診でのクリーニングで問題なく、天然歯のような手入れでしっかりと保つことができます。
オールオン4のデメリットはここ!
良いこと尽くめのように思えるオールオン4ですが、デメリットもちろんあります。
■抜歯をする必要がある
オールオン4は、全ての歯がないことが治療をする条件となります。片顎に1本でも歯が残っていると装着することが難しいので、生えている歯は抜歯をすることになります。もちろん手術を行う必要がありますから、抜歯後に口内が腫れてしまう可能性もあります。少しでも天然歯を残しておきたいという方には向いておらず、天然歯を残すことができないところはオールオン4のデメリットと言えます。
■医師の技術力に一定左右される
外科手術をともなう治療ですので、総入れ歯に比べると医師の技術力が必要不可欠です。治療歴が浅く経験が乏しい歯科医院だと、最悪の場合手術ミスが起こってしまう場合も考えられます。インプラントを顎の骨に埋め込む手術においては、その際に埋め込む深さや角度を見誤ると神経や血管に傷がついてしまうこともあり、感覚のマヒやしびれが後遺症として残ってしまうケースも残念ながらあります。簡単な治療ではないということを理解しておきましょう。
手術当日に仮の人工歯まで装着でき、前日まで総入れ歯の方でもその日のうちにきれいな仮歯をつけることができる、オールオン4。従来のインプラントより費用も抑えられとても大きなメリットがありますが、高い技術が必要なため医師の選択には大変慎重にならなければいけません。また、天然歯を残しておけないというところも検討する際に重要なポイントとなってきます。メリットとデメリット、それぞれをしっかりと把握し理解したうえで、オールオン4を検討されてくださいね。