インプラントする為に骨移植することは可能?危険ではない?
インプラント治療をするときには顎の骨の厚みが重要です。万が一厚みが足らなかった場合は骨を移植することで厚みを確保することができますが、移植と聞くと躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は顎の骨を移植するときの注意点についてまとめてみました。
インプラントをするときは顎の骨が必要
インプラント治療をする際に大きな判断材料となるのが、顎の骨の厚みがどの程度あるかです。インプラントは顎の骨に埋めて骨と結合させることで安定します。インプラントの材料は骨と結合しやすい材料で、骨とインプラントが結合することをオッセオインテグレーションと呼びます。
インプラントを埋める前には事前に検査をしっかりとしなければいけません。顎の骨がどの程度残っているか検査をするのにレントゲンでは判断できないので、歯科用のCTを用います。
CTを使えば骨の厚みを3次元的に分析することができます。しっかりと検査をしてインプラントをどの角度で埋めれば一番骨と結合できるのか綿密な計画を立てていきます。骨に十分な厚みがないとインプラントが完璧に埋まらないことや、骨と結合しないこともあり得るので、この診察がインプラントの予後を決めると言っても過言ではありません。
骨を移植するには
もし顎の骨が少なかった場合はインプラントを断念しなければいけないということはなく、骨の状態によっては骨移植による可能性が残っています。
ただし、一口に「骨移植」といっても実際にはいくつか種類があります。
1. 自分の骨を移植する方法
自分の顎から骨を取って、インプラントを埋めるのに必要な部位へ骨を移植します。骨は顎の先や親知らず付近の骨を移植の元として使うことが多く、自分の身体の一部を使用するので移植先でも結合がよく拒絶反応も少ないのが特徴です。移植先で馴染めば新しく骨を生成してくれるので最高の移植方法といえます。
2. 人工代用骨を移植する方法
人工代用骨は粉状の代用骨で骨と結合すると骨の代わりになります。歯周病で一部の骨だけが限局して無くなっている場合などは人工代用骨を使用するだけで十分補うことができます。骨移植は外科処置が伴うのであまり大きな処置よりかは小さな処置の方が予後が良いという特徴があります。
危険性は?
骨移植をするときのリスクは何が考えられるでしょうか。まずは細菌感染です。外科処置には感染のリスクがあるので細菌感染をしないように事前に抗生物質を飲んでおく、または処置後に抗生物質を飲むことで感染を防止できます。
自分の骨を移植する方法ではほとんどの場合、移植が成功します。
移植の処置中に急激な血圧の変化や大量出血などのリスクがありますが、歯医者さんの技量があまりに低くなければ対処もできるので安心して治療を受けてください。