オールオン4完成後のメンテナンスについて
インプラント治療の中でも特に新しい技術である「オールオン4」。これまでのインプラント治療では、インプラントの埋め込み本数の多さやそれにともなった治療期間の長さ、かかる治療費の多さが、患者さんにとってとても負担となっていました。オールオン4の技術が確立されたことで、インプラントの埋め込み本数を必要最小限におさえることができ、その分手術や治療期間が短縮され、治療費も多少おさえることができるようになりました。このように、とっても画期的な技術であるオールオン4ですが、治療後に良い状態を保つには、それなりのメンテナンスが必要です。こちらでは、歯科医院でオールオン4治療が完成したあとのメンテナンスについてご説明したいと思います。
まずはおさらい!オールオン4の仕組みと治療の流れ
治療完成後のメンテナンス方法や気をつけることを学ぶ前に、まずオールオン4とはどんなものかについて一度再確認をしておきましょう。
オールオン4は、上か下、どちらかのあごの歯12本を、4本のインプラントで支えて固定する治療方法です。上下のあごであれば、上あごに4本、下あごに4本と、合計8本のインプラントをあごの骨に埋め込みます。インプラントは、ネジやボルトのようなもので、先端にアバッチとよばれる固定器具を取り付けて、そこに12本の歯を支えるブリッジ(人工の歯ぐきとなる型)を固定し完成させます。片あご全ての歯を一度に取り付けるので、歯並びがとてもきれいに整いますし、上下の歯をオールオン4にすれば、しっかりとしたかみ合わせでとても審美性の高い(見た目にとても美しい)お口を手に入れることができます。もちろん、ブリッジに支えられている人工歯もセラミックのとてもきれいな、自然な歯の色をしていて、ホワイトニングをしたかのような美しさになります。
インプラント治療完成後に気をつけることとは?
インプラント治療の仕組みや治療の流れについて軽くおさらいをした後は、治療が完成した後に気をつけることをご説明します。せっかくとてもきれいな歯とお口を手に入れたのですし、治療費も決して安価なものではありませんから、可能なかぎり長く良い状態を保つためには、日々気をつけるべきことがあります。
■毎食後+寝る前のブラッシング
朝食後、昼食後、夕食後の3回はブラッシングをするという方は多いと思いますが、インプラント治療完成後は+1回、寝る前のブラッシングを習慣にしましょう。「インプラントはすべて人工歯だから虫歯になることがないし、どうしてそんなにしっかり歯を磨く必要があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、インプラントの方が歯周病にかかる確立が高くなるのです。元々ご自身がもっていた天然歯には、細菌に感染しないための防御機能がそなわっていますが、インプラントは人工歯なので防御機能がありません。そのため、細菌感染にとても弱いのです。オール―ン4の治療をしたからこそ、歯周病対策の要となるブラッシングは、これまで以上に徹底して行う必要があります。
■ブラッシングの前にデンタルフロスでケア
オールオン4で人工歯にしたら、これまでより歯周病ケアが必要だということはご理解いただけたかと思います。正直なところ、毎日4回のブラッシングだけでは歯周病予防を完全にできているとは言えません。なぜかというと、歯ブラシによるブラッシングだけでは歯と歯のすき間や細かいところまでブラシが届かず、磨き残しが発生してしまうからです。歯ブラシではどうしても届かない部分はあります。そこで使用していただきたいのが、デンタルフロス。歯間ブラシとも言いますね。デンタルフロスは、毎度のブラッシング前におこなってください。細かな部分からお口の中をきれいにすることで、お口のお掃除の精度が上がります。まずは歯と歯のすき間や細かな部分の汚れを取り除き、そのあとに歯ブラシで丁寧にブラッシングをしましょう。これで、いつものお口のケアがより一層効果の高いものになりますよ。
自分だけのケアではNG。必ず歯医者さんへ行こう
毎日のデンタルフロスやブラッシングのケアはもちろんとても大切です。しかし、オールオン4の治療後、かみ合わせを調節したり、インプラントとブリッジがしっかりと固定されているかなどは定期的に確認したりしていく必要があります。特にかみ合わせについてはとても重要で、かみ合わせが悪いと余計な力があごの骨にかかり、骨を消耗させてしまいます。骨が消耗すると、インプラントを埋め込んだ部分の骨も弱くなり、骨が体に吸収されてなくなっていき、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうという事態も考えられます。3か月に1回、どれだけ忙しい毎日を送っていたとしても、半年に1回はオールオン4治療で手に入れたきれいな人工歯の状態を歯医者さんで確認してもらいましょう。もしその際に歯周病の兆候があったり、かみ合わせが少々ずれていたりということが分かれば、早期に治療し解決することができる可能性があります。歯医者さんに行かずに放っておけば、いつの間にか歯周病が進んで、あごの骨がもろくなり、せっかく治療が完成したオールオン4の人工歯が抜け落ちてしまうということになりかねません。新しく大切な自分の歯を守るためにも、かならずこたに歯科クリニックでの定期検診は受けてください。オールオン4の治療完成後のケアによって、今後何十年ものつきあいとなるかどうかが変わってきます。治療完成で安心せず、日々のケアを大切にしてくださいね。